Greenhouse Marathon

2022, インスタレーション
協力: International artist residence Villa Waldberta
設営協力: Boris Maximowitz (Treibgut), Hiroyuki Abe

Greenhouse Marathonは、ミュンヘンオリンピック50周年記念フェスティバル(2022/7/1-9)のために作られた作品です。2021年に開催された東京オリンピックでは、「暑すぎる」という懸念から、マラソンなど一部の競技が札幌で開催されました。札幌は、1972年のミュンヘンオリンピックと同じ年に冬季オリンピックを開催した街です。しかし2021年の札幌は例年以上に暑く、マラソンは早朝に開始されましたが、気温は25度を超えていました。

今後、気候変動によりオリンピック開催に適さない地域が増えることが予想されています。マラソンのように気候がパフォーマンスに大きな影響を与えるスポーツは、長期的な環境変化を体感的に認識させるセンサーとして機能するのではないでしょうか。

本作品ではミュンヘンオリンピアパークの、ランナーとサイクリスト用の道に沿うように建てられた温室に、トレッドミルが置かれました。温室内の気温がセンサーにより取得され、過去120年のオリンピックのマラソン大会の記録、2021年8月8日と9日に行われた東京オリンピックの札幌でのマラソンの記録、そして今後50年間のミュンヘンの平均予想最高気温のデータベース中から、そのときと同じ気温データを持つ年/日付/時刻が、LEDに表示されていきます。